EX・SRXシリーズ事例 株式会社静岡第一テレビ様

「落ちないネットワーク」「コスト削減」「運用負荷軽減」、全てを解決してくれる理想のネットワークはジュニパーでしか実現できませんでした。

  • 企業名株式会社静岡第一テレビ
  • 設立1979年2月15日
  • 所在地静岡県静岡市駿河区
  • 事業概要民間放送事業およびその関連事業(放送番組の制作・販売、映画・音楽・芸術・スポーツそのほかの文化事業、イベント事業ほか)
  • 取材対象株式会社静岡第一テレビ
    経営企画局技術部 マネジャー松田 修 氏

地域密着型のテレビ局として静岡県内へ情報を発信している「株式会社静岡第一テレビ(以下、静岡第一テレビ)」では、基幹ネットワークを強化するためにジュニパーネットワークス(以下、ジュニパー)のサービスゲートウェイ「SRXシリーズ」、イーサネットスイッチ「EXシリーズ」、SSL VPNアプライアンス「SAシリーズ」を導入した。その経緯と狙いについてお話を伺った。

静岡第一テレビの事業概要

静岡第一テレビの事業概要をご紹介ください。

静岡第一テレビは、「ふれあいだいいち」をモットーにテレビ放送や各種関連事業を行っている民間放送局(以下、民放)です。1979年(昭和54年)7月の開局以来、おかげさまで2009年には30周年を迎えました。「日本一の地方局」になることを目標に、自社制作番組やイベントをはじめとしたさまざまな事業に取り組んでいます。

ジュニパー製品導入により高信頼ネットワーク構築を実現

現在利用している幹線ネットワークの構成を教えてください。

ジュニパーのボックス型イーサネットスイッチ「EX4200」(以下、EX4200)をコアスイッチとして導入し、10Gbpsの幹線ネットワークを構築しています。EX4200はコアネットワークだけでなく各フロアのスイッチとしても導入しており、特に重要なコアネットワークと報道フロアではバーチャルシャーシ構成を組んでいます。

また、静岡県内外に設けている各支局や取材先などから社内ネットワークへセキュアかつスムーズにリモートアクセスができるよう、ジュニパーのサービスゲートウェイ「SRX210/240」(以下、SRX210/240)とSSL VPNアプライアンス「SA2500」( 以下、SA2500)も導入しました。

幹線ネットワークは、主にどのような業務に利用していますか。

幹線ネットワークには300台ほどのPCが接続されており、主に放送する番組やCMなどを一元的に管理する「営業放送システム」とニュース原稿作成や番組進行表の作成といった報道作業をサポートする「報道支援システム」、そしてメールやWebサイトへのアクセスといった業務に利用しています。

地震をきっかけにネットワークの更改時期を前倒し

今回ネットワークを更改したきっかけを教えてください。

当社では定期的にシステムの見直しを行っていますが、今回のネットワーク更改はそのタイミングを少し前倒ししました。そのきっかけとなったのは、2009年8月に発生した静岡沖地震です。

当時、地震による被害はほとんどありませんでしたが、今後、地震などの災害により基幹システムに不具合があると、放送事業を継続できなくなってしまう可能性があります。そのような事態を招かないよう、サーバやネットワーク機器などを本社社屋の一番安全な場所に移設することになりました。

以前利用していたネットワーク機器を移設して、またすぐにネットワークを更改するのは非効率なので、予定していた時期よりもタイミングは前倒しになりましたが、移設と同時に新しいネットワークを構築することになりました。

パフォーマンスと耐障害性を強化し管理負荷も軽減

ネットワークを更改する際の要件を教えてください。

各業務システムはもちろん、インターネットの利用などが増加し、さらには映像のデジタル化が進む中で、幹線ネットワークへの負荷が高まっており、将来的にもその傾向は続くと考えています。そのため、将来的なトラフィックの増加にも対応できるパフォーマンスの増強を軸に、耐障害性の強化と管理負荷の軽減が要件となりました。

「耐障害性の強化」とは具体的にどのような対応になりますか。

テレビ局は公共性が高く、24時間365日休みなく業務を継続していかなければならないので、システムの停止は許されません。地震のような災害からシステムを守るのはもちろんですが、今回はネットワーク自体の耐障害性が優れた「落ちないネットワーク」を構築したいと考えました。

「管理負荷の軽減」については。

当社では、最小限の人員でシステム全体を管理しています。そのため、管理負荷の軽減というのは、現場担当者の課題であり、管理コストの削減にも直結する重要なポイントとなります。

ネットワークの専門家に任せることによる安心感

ネットワークの更改を双日テックイノベーションに依頼した理由を教えてください。

当社の理想とするネットワークを構築するためには、ネットワーク機器自体のパフォーマンスや信頼性はもちろんですが、ネットワークをどのように設計・構築するかが重要なポイントになります。そのためには、高度な知識と経験やノウハウが不可欠なので、ネットワークの専門家に任せるのが一番だと考えました。

また、マルチベンダー環境で幹線ネットワークを構築するとシステムの拡張や障害発生時の切り分けに時間と手間がかかります。そのため、幹線ネットワーク全体の構築・運用をワンストップで任せることができる双日テックイノベーションにネットワークの更改に関する提案をお願いすることにしました。

双日テックイノベーションの対応はいかがでしたか。

提案は期待以上の内容でしたが、それ以上に感心したのは導入時のサポートです。当社の場合、放送事業という関係上、限られた時間内に導入・切り換えの作業を済ませなければなりません。

そのため、双日テックイノベーションの検証センターにおいてネットワーク機器の設定と動作を確認してもらい、事前に厳密な導入手順書を用意してもらったことで、安心してプロジェクトを進行することができました。実際、導入・切り換え作業も予定通りに完了することができました。

「ネットワークの専門家である双日テックイノベーションに任せることで、安心して導入作業を進めることができました。」
株式会社静岡第一テレビ
 松田 修 氏

理想のネットワークはジュニパーでしか実現できなかった

EX4200をはじめとしたジュニパー製品を採用した理由を教えてください。

当社が理想とするネットワークを双日テックイノベーションに伝えた結果、提案を受けたのがジュニパー製品によるネットワーク構成でした。今考えると、ジュニパー以外では、当社の求めるネットワークは実現できなかったと思っています。そのポイントは次の2点です。

(1)バーチャルシャーシによる仮想化ネットワーク

幹線ネットワークは物理的にコアネットワークと4つのフロアに設置 したEX4200で構成されていますが、仮想化されていなければセグ メントの設計や管理は相当複雑になっていたと思います。

バーチャルシャーシによる仮想化ネットワークを構築することで、複数台のスイッチを1台のスイッチとして管理できるにもかかわらず、論理セグメントを超えたネットワーク間の干渉もない耐障害性に優れた環境を構築できると考えました。また、将来的にセグメントをさらに分割することも簡単にでき、拡張性も高まることからEX4200を採用しました。

(2)JunosR OSによる統合管理環境

リモートアクセス環境にもジュニパー製品を導入することで、共通のOS(Junos OS)で運用環境を統合化することができ、運用の負荷を大幅に軽減できます。しかも、Junos OSは各プロセスが独立して動作しているので、万が一、一部のプロセスに障害が発生したとしてもほかのプロセスに影響がありません。ネットワークを止める必要がなく、ネットワーク全体の耐障害性をさらに強化できることからJunos OS搭載のEX4200とSRX210/240を採用しました。

これまで、ジュニパー製品を導入したことはありましたか。

ジュニパー製品を導入するのは初めてでしたが、国内外の大手キャリアやサービスプロバイダーにおける稼働実績を見て、機器のパフォーマンスや信頼性は問題ないと判断しました。また、双日テックイノベーションはジュニパー製品の導入実績が豊富なので、初めて採用するメーカーだという不安もありませんでした。

将来的には業務系ネットワークと放送機器用ネットワークの統合も

ネットワークの拡張予定などはありますか。

大きな拡張や変更などはしばらくの間、考える必要はないと思います。ただし、今回更改した業務系ネットワークとは別に放送機器用のネットワークも運用していますので、将来的にはこれら2つのネットワークをセキュアに統合できればと考えています。

最後に、双日テックイノベーションへの期待があればお聞かせください。

検証センターに伺った際、膨大な数の検証機器と数多くのネットワークエンジニアの方が業務に取り組んでいる姿を目の当たりにして、あらためて技術力の高さを実感しました。今後も、専門性の高いサポートと提案を期待しています。

※記載の担当部署は、2011年4月の組織名です。