増大する網内経路数への対応!ルートリフレクタの選択肢は?

ルーティング

大規模なネットワークを保有する通信事業者、サービスプロバイダ、クラウドプロバイダのバックボーンネットワークでは一般的にルートリフレクタが導入されますが、市場では多種多様な製品が選択可能となっています。その中でもお勧めの1台を、日商エレクトロニクスが、検証結果とともにご案内します。

ルートリフレクタの利用シーン

ルートリフレクタの導入背景

網内の経路制御プロトコルにはiBGPが多く使われています。AS内の全ての近接ルーターがフルメッシュでピアを確立する手法は小規模なネットワークではうまく機能しますが、ネットワークが拡大しルーター台数が増加するとiBGPピア数は膨大なものとなり、ルーターリソースの問題に加え設定の複雑化やトラブル対応など運用負荷も大きくなります。この規模拡大に伴う問題の解決手段として、比較的に導入が容易でiBGP接続数削減によりルーター負荷を軽減可能なルートリフレクタが利用されます。

ユースケース

とりわけIP通信サービスだけでなくVPNなど様々なサービスを提供している事業者では桁違いのRIBスケールが必要となり、数千万経路といった処理にも耐え得るルートリフレクタ性能が求められます。

導入背景とユースケース

ルートリフレクタの選択肢

それでは、ルートリフレクタにはどのような選択肢があるのでしょうか。一般的には汎用ルーターをルートリフレクタとして転用することが多いようです。使い慣れたルーターをそのまま活用でえきれば運用も楽ですよね。ただし、膨大な経路情報をさばくに足りうるRIB性能を備えているかどうかがポイントになります。

ルーターに求められる性能

ルーターに求められる性能は大きくフォワーディング性能とルーティング性能に二分されます。前者は文字通りパケットの転送性能(スループット)となり、ミドルレンジ以上のルーターでは性能向上のため莫大な投資が専用ASICの開発にあてられています。一方、ルーティングテーブルの検索や転送先の判定(経路選択や経路制御)といったルーティング処理はx86などの汎用CPUで高効率に行うことができます。そしてルートリフレクタに必要なのはルーティング性能になります。

汎用ルーターの転用や仮想ルーター、仮想アプライアンスの活用

少し前の汎用ルーターをルートリフレクタとして転用しようとした場合、RIB性能(ルーティング性能)が足りないことからミッドレンジ製品が必要になりました。ただし先に述べたように多くのミッドレンジ製品にはルートリフレクタには不要な高価なフォワーディング性能が備わっており機器費用が高額になるという課題もありました。

一方、5年程前から仮想ルーターや仮想アプライアンスが市場に出てきました。仮想ルーターは汎用サーバー上で動作しますので、高速なフォワーディング処理は期待できませんがルートリフレクタに必要な処理は十分実行可能です。物理的なハードウェア構成に縛られず、スモールスタートできるというメリットもあります。そして商用向けに提供されているものからオープンソースまで様々な選択肢があります。

汎用ルーターの転用

従来選択肢における課題

仮想技術を利用したルーターやアプライアンスには多くのメリットがありますが、導入や運用面はどうでしょうか。導入においては性能を見越したサーバースペックを決定の上、ソフトウェアのインストールから行うことになり、通常のサーバー管理知識や技術だけでなく専門の知識が必要になります。運用後のトラブルシューティングにおいてもハイパーバイザまわりの情報取得が求められますし、ソフトウェアとハードウェア間の障害切り分けにおいてもネットワーク運用を中心に従事してきたエンジニアにとってはいささかハードルが高くなります。物理ハードウエアリソースを他と共有している場合、パフォーマンスへの影響やセキュリティ面も気になるところです

仮想技術の留意点

物理アプライアンスというアプローチ

それでは、仮想ルーターや仮想アプライアンスの面倒なところを解決するアプローチとして物理アプライアンスを選択肢に加えてはいかがでしょうか。物理アプライアンスは特定用途に特価した専用機としてあらかじめ必要な機能が実装され、パフォーマンスも最適化されています。仮想製品のようにサーバーのサイジングやハイパーバイザの選択に悩む必要がありませんし、サポートを受ける窓口も一本化されています。

そこで、日商エレクトロニクスではジュニパーネットワークスが開発したルートリフレクタ専用の物理アプライアンスJRR200をご紹介します。

解決案

日商エレクトロニクスが提案するルートリフレクタ

JRR200は1RUというコンパクトなサイズながらルートリフレクタ用途に特価した超高性能な専用アプライアンスになります。コントロールプレーンにはグローバルの通信事業者で長年実績を積んだJunos OSが搭載され、キャリアグレードの信頼性を誇ります。汎用ルーターに比べ不要なフォワーディング性能をそぎ落とした半面、ルーティング処理を強化したことで最大5千万経路を高速処理し、4千ものBGPピアをサポートします。ソフトウェアもあらかじめインストールされていますので導入も非常に簡単です。

JRR200の紹介
JRR200の外観と仕様

スケール性能の検証

JRR200がルートリフレクタとして十分なパフォーマンスを有しているかを確認するためにBGPピア数、RIB容量、そしてコンバージェンススピードの3項目につき検証を行ってみました。生の結果をご覧いただけますので、ルートリフレクタの導入や更改を検討中のお客様は是非ご参考ください。

パフォーマンス検証

検証結果については資料にて詳しくご紹介しております。

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