ぼくらが考えるネットワークとは? 株式会社DMM.comラボ様

次世代のコンセプトは、
“増やす”だけでなく、“捨てる”ことにも着目した
Modularized Data Center

はじめに

動画配信をはじめ、4KやVR(Virtual Reality)など新たな事業を次々と展開するDMM.com。今回、インフラを支えるDMM.comラボのみなさんに“これまでITインフラをどのように拡充し、これからどのように進化させていくのか”話を聞いた。

1年間でほぼ倍増した膨大なトラフィック量をいかに効率よく処理するかが課題だった

IT業界が勢いを増した1999年に創業されたDMM.comはネット通販やエンターテインメント動画の配信やオンラインゲームなどをはじめ、外国為替証拠金取引(FX)、3Dプリンター、太陽光発電……など次から次へと事業を立ち上げ、その勢いはとどまることを知らない。そして今後はVR(Virtual Reality)や4Kなど新たな分野へと進出するという。IoT(Internet of Things) に代表されるように、あらゆるものがインターネットを介してつながるようになった今、膨大になるデータを蓄積・解析し、最適な情報やサービス提供に役立てることが求められている。

メディア革命時代の先駆者として突き進むDMM.comのネットワーク・インフラを支えているのが、DMM.comラボだ。次々に新規事業が立ち上がるのと同時に、ITインフラの拡充を急ピッチで進めてきた。2013年から2015年までの2年間で、データセンターやネットワークの大幅設計変更と拡張を実施。今、DMM.comのコアネットワークはジュニパーネットワークス製品(以下、ジュニパー)が支えている。今夏、ルーターの100GbE化も果たしたが、堅調なサービスの伸びを見通してさらに2017年から1年間かけて基幹系システムのマイグレーションを実施する予定だという。

「2015年のピーク時には100Gbpsだったネットワークのトラフィックが2016年に入り190Gbpsに急増。現在はピーク時のトラフィック量を計測し、しきい値の75%を超えるとネットワーク機器の増強を検討しています。しかしさらなる整備が必要です」と語るのはサブマネージャの尹秀源(ユン・スウォン)さん。運用経験が長い優秀なエンジニアでさえ、DMM.comのトラフィック量を先読みしながら増強していくのは至難の業だという。

事前検証から技術トレーニング、その後の保守・運用と常に傍らには日商エレクトロニクスがいた

そもそも日商エレクトロニクス(以下、日商エレ)との出会いはジュニパー社ルーター製品「MXシリーズ」の導入検討を行った際、信頼のおける製品取り扱いパートナーとして紹介されたのがきっかけだったという。「日商エレさんが所有する豊洲にある技術センター“ネットフロンティアセンター”で、導入検証を実施させていただき、万全の体制で導入ができました。保守・運用のフェーズに移行してからも変わらずに手厚くサポートしていただいています」とサブチーフを務める藤岡宏樹さん。

「障害が発生した際など、原因特定の依頼をした際のレスポンスは他社と比べものにならないくらい迅速です」とマネージャの高橋哲平さん。「日商エレのエンジニアさんとは前職の時から対応をしていただいたことがありました。その頃から高いスキルで迅速にサポートしてくれていたのでとても安心ができました。ジュニパー製品に関しては特に、業界で一番の知見があると感じています」(尹さん)と誰もがサポート力の高さを評価する。

そして増え続けるトラフィックを安定して処理するネットワークを考える中、新たにファーウェイ社スイッチ製品「Cloud Engineシリーズ」(以下、Cloud Engine)の導入検討を開始した。「ファーウェイ社製品はコストパフォーマンスのメリットが大きい上、信頼できる品質になっているという評判を聞き、導入を検討していました。ただ日本国内ではDMM.comのネットワークを理解し、かつファーウェイ製品の技術サポートをしていただけるSIerが必要でした」(高橋さん)

それを実現できるのは日商エレだった。日本屈指のインフラを誇るDMM.comへのさらなる貢献を目指し、日商エレは自前でCloud Engineのサポート体制を整えることを決断した。「ジュニパー社製品で高い実績があり、信頼のおける日商エレさんが迅速にサポート体制を整えていただいたことで今回導入に踏み切ることができました」と高橋さん。導入前、日商エレおよびファーウェイジャパンと一緒にファーウェイ中国本社へ視察にいき、導入から保守まで一貫してサポートしていただいた。導入して半年過ぎたが、大きな障害もなく安定して稼働している。

目指すのは、拡張・縮小が自由自在な「Modularized Data Center」

DMM.comのインフラは今後、どんな姿を目指しているのか。コンセプトとして掲げているのが“Modularized Data Center”だという。DMM.comのインフラは次々と立ち上がる新サービスに応じて、基幹システムへ新たなシステムを拡充して成長してきた。「しかし今後のインフラ基幹は安定かつ確実につながる形で作り上げていきます。柔軟な拡張性はもちろん、縮小も自由自在なデータセンターを目指していこうと新たなコンセプトを掲げました」(高橋さん)。

“すぐに作れる”だけでなく、“すぐに捨てられる”。それが今後のDMM.comのインフラには欠かせない考え方だという。

「ネットワークは常に進化しています。特にサービス提供事業者としては、これからのインフラは、5年、10年ごとにリプレイスされていくのが当たり前という考え方をベースに検討していかなければならない。ITインフラのこれからは、いかに“切り離し”しやすいかどうかも重要になると考えています」と高橋さんは語る。時代を切り開く新たな事業を次々と展開する同社がどんなインフラ環境を作り上げ、運用・保守していくのか。その動向にますます目が離せなくなりそうだ。

ネットワーク構成図

[ご導入製品]

■Juniper Networks 製品

  • コアルーターMX960/MX480
  • アクセス・スイッチEX4200
  • ファブリックスイッチシステムQFXシリーズ

大量のトラフィックを安定して収容できる数多くの実績、IPv4/v6にも対応しリソースをフレキシブルに割り当てることができる柔軟性を評価し「MXシリーズ」を導入。その後100GE化も実現。MXシリーズと同一の「Junos OS」を搭載するQFX・EXシリーズをファブリック構成で採用し、複雑なネットワークの簡素化にも成功。迅速なサービス展開とシンプルな運用管理によって負荷軽減を実現しました。

■Huawei 製品

  • データセンター・スイッチCE12804S/CE6810/CE7850

DC間のネットワーク増強のため、100GEコアスイッチ「Cloud Engineシリーズ」を2016年夏に新規導入。バーストトラフィックでもパケットの破棄を防ぐディープバッファ機 能と標 準 規 格のリングプロテクション(ERPSv2)への対応が決め手となり採用。これにより、シンプルで広帯域なネットワークの構築と、マルチベンダー化による設備コストの削減を実現しました。

DMM.comラボ様 会社概要

株式会社DMM.comラボは、DMM.comのシステム開発からマーケティング、フルフィルメント、カスタマーサポートなどのサイト構築・運用を一手に担う企業です。DMM.comは、動画配信やオンラインゲームをはじめ様々なサービスを時代に合わせ柔軟に展開することにより、常にユーザーへ新しい価値を提供し続けています。

CORPORATE DATA

  • 会社名:株式会社DMM.comラボ
  • 所在地:東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー14F
  • 設立:2000年4月3日
  • 資本金:1,000万円
  • 従業員数:1214人(2015年12月末時点)
  • URL:http://labo.dmm.com
  • 左:インフラ本部 ネットワーク構築運用部 マネージャ 高橋 哲平 様
  • 中:サブマネージャ 尹 秀源(ユン・スウォン) 様
  • 右:サブチーフ 藤岡 宏樹 様

お客様に開かれた先進の技術サポートセンター「NETFrontier Center」

NETFrontier Center(ネットフロンティアセンター)は、お客様のITソリューションをサポートする日商エレクトロニクスの技術拠点です。導入前~導入後まで、さまざまなケースで検証できるテストルームや、お客様のご要望にあわせた最適な環境でトレーニングを受講いただくことができるトレーニングルームを完備しています。お客様ご自身で製品のメリットと当社の技術力をぜひ、体感してください。