コアネットワークに最適な性能を提供!400GbEにも対応する最新ルーターは?

ルーティング

ジュニパー ルーターの選択肢

2つのカスタムシリコン

ジュニパーネットワークスは、2つの異なるカスタムシリコンとパケット処理アーキテクチャをベースとした高効率なルーターを開発し市場へ投入しています。
マイクロコードベースのシリコンを使用したMXシリーズは、サービスリッチで拡張性の高いエッジルーターとして使用されます。
一方、PTXシリーズにはパイプラインアーキテクチャがベースのシリコンを採用しており、クラウドおよびサービスプロバイダが大容量のコアネットワークを構築するために必要な性能と機能を提供するよう設計されています。

最新世代ルーター MXとPTXの位置づけ

2種類のカスタムシリコンの特性に応じて製品化された最新のルーティングプラットフォームの代表モデルが以下となります。
機能と性能を上手くバランスさせた万能型のMXシリーズには固定ポート型のMX204とモジュラーシャーシー型のMX10003/MX10008/MX10016がラインナップされています。
低消費電力で大容量のパケット転送を高速実行することに秀でたPTX10000シリーズにも固定ポート型とモジュラーシャーシー型が用意されており、Tritonと呼ばれる最新世代のシリコンの搭載により400GbEを含むマルチレートに対応したQSFP56DDがサポートされ、非常に優れた省スペース性能を実現しています。

■MXシリーズ ユニバーサルルーティングプラットフォーム

MXシリーズ ユニバーサルルーティングプラットフォーム

サービスリッチで幅広い機能と高いスケーラビリティのバランスを提供するエッジルーターです。統合型モビリティ、IoT、ビジネス、およびケーブル環境を最適化するためにエッジに展開でき、マルチサービスエッジや統合型コアアーキテクチャでも使用できます。

■PTXシリーズ パケットトランスポートルーター

PTXシリーズ パケットトランスポートルーター

クラウドおよびサービスプロバイダーが大容量のコアネットワークを構築するために設計されており、電力プロファイルを犠牲にすることなく、転送に特化したIP/MPLSアプリケーションとラベルスイッチングルーター(LSR)に最適化されたパケット性能を提供します。

ここからは、小型エントリーモデルとなるPTX10001-36MRを見ていきます。

PTX10001-36MRの概要

PTX10001-36MRは、クラウドに最適化された固定ポート型ルーターとなり、高密度な100GbE/400GbE接続とパフォーマンスのスケーラビリティ(スケールアップとスケールアウト)をコアおよびピアリングネットワークに提供します。利用できるラックスペースが限られ電力条件の厳しい環境においても1RUで9.6Tbpsもの大容量をもたらし、400GbEインラインMACsec、高いFIB性能、ディープバッファ、そして柔軟なフィルタリングを実現し、ビット当たりのコストを削減できます。

PTX10001-36MRの概要

外観と仕様

コントロールプレーンにはSkylakeと呼ばれる最新のアーキテクチャに基づいた64ビットマイクロプロセッサが搭載されており、BootGuardテクノロジーによるBIOSブートのシステム整合性も確保されています。シャーシー前部には24個のQSFP56DDポートに加え、12個のQSFP28/QSFP+互換ポートを備えていますので、400GbEだと最大24、100GbEは最大108も利用できます。システムスループットとしては9.6Tbpsですが10.8Tbpsまでのオーバーサブスクリプションを許容します。

外観と仕様

 

統合化されたファブリックデザイン

また、高度に最適化された統合ファブリックデザインが採用されて、メインボード上の3つのフォワーディングASIC(Tritonシリコン)は、ファブリック・クロスバー機構によりファブリックASIC(ZF)と接続されています。ファブリックASICと各フォワーディングASIC間の接続は均等に行われ、各接続3.2Tbpsの帯域(システムで合計9.6Tbps)が確保されます。
一方、各フォワーディングASICとネットワーク側(シャーシー前面のポート側)とは3.6Tbps(同合計10.8Tbps)の接続容量を有していることから、差分の0.4Tbps(同合計1.2Tbps)分がオーバーサブスクリプションということになります。ただ、これによりコアネットワークやピアリング用途において接続ポートの自由度に加えスペースと電力の使用効率が高まります。

統合化されたファブリックデザイン

ユースケース / PTX10001-36MRが向く用途

PTX10001-36MRは後述にもある柔軟なライセンスオプションにより、ネットワークの成長に応じた投資が可能で、ハードウェアの更新を必要とせずに100GbEから400GbEへのスムーズな移行が可能になります。ピアリング、LSR(ラベルスイッチングルーター)コア、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)ゲートウェイ、データセンターエッジ、アグリゲーション、メトロの導入など、幅広い用途でご利用いただけます。

ユースケース / PTX10001-36MRが向く用途

データセンター間接続イメージ

ライセンスオプション

ジュニパーの他の製品でも一般的になってきましたが、PTXシリーズでもフレックス・ソフトウェアと呼ばれるライセンスモデルへ移行しています。これはハードウェアと機能を切り離し、ユースケースに応じて必要な機能をライセンスとして選択するというものです。この機能ライセンスは、利用期間に合わせたサブスクリプションとして導入することもできますし、パーペチュアルライセンス(永久ライセンス)も選択可能です。さらにPTX10001-36MRの場合、ハードウェアの全帯域を最初から利用可能なフルキャパシティライセンスとスモールスタート可能なPAYG(Pay-As-You-Grow)ライセンスの2種類が用意されています。

WANライセンス(フルキャパシティ)

利用可能な機能と対応スケールが異なる2種類のWANライセンス(Premium1もしくはPremium2)のどちらかをユースケースに合わせて選択します。各ライセンスの詳細は下記図をご覧ください。

WANライセンス(フルキャパシティ)

WANライセンス (PAYG: Pay-As-You-Grow)

もう1つはスモールスタートに対応したこちらのライセンスになります。PTX10001-36MRは1RUサイズの小型機とはいえ、10TはさすがにToo Muchというお客様がほとんどかと思います。PAYGを活用することで帯域3.6Tから利用開始し、初期コストを抑制できます。トラフィック量が増えた段階で利用帯域を拡張してゆけば良いわけですが、目いっぱい拡張した時点までに払い出す累計PAYGライセンス価格はフルキャパシティライセンス価格より割高な設定になっています。

WANライセンス (PAYG: Pay-As-You-Grow)

MXとの比較例

MX10003エッジルーターとの比較(ポート単価)

ここからはMXルーターとの価格を比較してみました。最新のPTX10001-36MRとどのMXルーターを比べるのか悩みましたが、ミッドレンジでは弊社で売れ筋となっているMX10003にしました。HWはフル冗長構成とし、どちらも最上位のライセンス(パーペチュアル)を組み込んだシステム価格をベースに試算しています。具体金額は記載していませんが、MX10003のポート単価を100とした場合、PTX10001-36MRの相対ポート単価を出しています。100GbE単価はPTXがMXの1/3以下ですが、40GbEと10GbEでは逆に割高になっています。最新世代のPTX10001-36MRは低速インタフェースも利用できますが、あくまでも高速インタフェースの高密度化にフォーカスしていることになります。

MX10003エッジルーターとの比較(ポート単価)

MX10003エッジルーターとの比較(ポート単価): PAYGの場合

次にMXはそのままでPTX側のライセンスをPAYGライセンス(使用可能帯域を3.6Tに制限)に置き換えて比較してみました。PTXの100GbE単価はMXの半額以下と割安感を維持しつつ、40GbEと10GbEについてもMXより2割ほどお安くなる結果となりました。

MX10003エッジルーターとの比較(ポート単価): PAYGの場合
ポート単価を比較してみましたがいかがでしょうか。加えてPTX10001-36MRでは400GbEも利用できることを考えると結構気になりますね。比較に使用した両モデルの具体価格はダウンロード資料でご確認いただけますので、気になる方はご覧ください。

関連記事

Juniper導入実績多数のスペシャリストが
最新情報をみなさまにお届けしています

Juniper社認定資格者