QFX5100/EX3400事例 株式会社オー・エル・エム・デジタル様

国内トップクラスの映像制作現場を支えるネットワークインフラ。安定性・メンテナンス性を第一に考えて、ジュニパーネットワークスを使い続けています。

  • 企業名株式会社オー・エル・エム・デジタル
  • 設立1997年
  • 所在地東京都世田谷区若林
  • 取材対象株式会社オー・エル・エム・デジタル 研究開発部門
    石井 裕気 氏(右)
    深谷 祐太 氏(左)

オー・エル・エム・デジタルでは、人気アニメやフルCG、実写の制作に利用するITインフラを自社で運用するため、ジュニパーネットワークスを選択。年間十数作品を生み出す映像制作現場とシステムを、高速かつ安定したネットワークでつなぎ、少数精鋭のスタッフで運用しています。

オー・エル・エム・デジタルの紹介

オー・エル・エム・デジタルの特長をご紹介ください。

「ジュニパーのネットワークインフラ
が映像制作の現場を支えています」
株式会社オー・エル・エム・デジタル
研究開発部門
石井 裕気 氏

オー・エル・エムグループは、『ポケットモンスター』や『妖怪ウォッチ』などの人気アニメ作品を中心に、2D、フルCGアニメーション、実写映画まで、幅広いタイプ・ジャンルの映像作品を手がける制作会社です。

オー・エル・エム・デジタルは、オー・エル・エムグループの中でもデジタルアニメーションコンテンツの企画・制作会社です。オー・エル・エム・デジタルでは研究開発部門があり新しい映像表現の研究や、映像表現のためのツール・プラグインの開発を行う研究開発スタッフが在籍しているのが特長の一つです。

例えば2017年に公開された実写映画『ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない 第一章』では、社内で独自のプラグインの研究開発を行い、CG描画に必要な計算コストを大幅に軽減することができました。

こうして開発した技術は国際会議で発表することもありますし、映像制作ツールのプラグインとして無償公開することもあります。そうした取り組みを通じて、日本の映像制作の市場に貢献していきたいとも考えています。

私たちは、さらなる映像制作の効率化・クオリティーアップを目標に、設立当初よりITインフラの強化を行ってきました。当初は社内の管理者数を抑えるため、ITの運用を外部事業者に任せることがありました。しかし、コストが割高になる場合もあり、また柔軟性に欠けてしまうため、現在ではネットワークからサーバー、ストレージまで、すべて自社内で構築・運用しています。

ジュニパースイッチ導入の背景と効果

ジュニパーネットワークスのスイッチを導入した背景をお聞かせください。

オー・エル・エム・デジタルでは多くの作品を並行して制作しており、200名以上のスタッフがITインフラを利用します。そのため、ネットワークを含めたシステム全体が不安定になることは、できるかぎり避けなければなりません。

現在のオー・エル・エム・デジタルの映像制作ワークフローは、ネットワーク上のファイルサーバーに映像制作に必要なデータを格納し、3DCGを計算(レンダリング)し映像を生成するサーバー(レンダリングサーバーと呼びます)を活用して、ネットワーク越しに作業を行っています。そのため、ネットワークの安定性が第一条件と考えています。

また、私たちは自社でネットワークも運用していますので、メンテナンス性も重視しています。作品数が増えればネットワークやその他のシステムへの要望も増えますので、日々の運用がしやすく、拡張性に優れたネットワークシステムであることが重要です。

現在の10Gbpsネットワークに切り替えたのは、2012年のことですから、一般的な企業としても早い段階だったのかもしれません。私たちは映像制作の最先端を追うべき組織ですから、できるだけ最新の技術を採り入れて、ニーズを先取りしておこうという思いはありました。

この2012年に構築したネットワークのころから、ジュニパーネットワークスのスイッチを愛用しています。それまで他社製品で構築していたネットワークはRSTPを利用していたため構成が複雑で運用負荷が高いという問題を抱えていました。そこで、ネットワークを根本的にシンプル化することを目的とし、複数のスイッチを一つの仮想スイッチとして束ねることができる「Virtual Chassis」に注目したのです。

今回2017年のネットワーク機器をリプレイスするタイミングでもジュニパーを採用しました。300台以上のレンダリングサーバーをはじめとした数多くのシステムや部門ネットワークを収容するため、コアスイッチとして「QFX5100」を選択し、10Gポートを最大限搭載しました。QFXシリーズであれば、将来的に40Gbpsへの拡張性も確保できます。

ジュニパーのネットワーク製品は、Virtual Chassisのような運用効率を高める機能が充実しているほか、ダウンタイムがほぼ0でアップグレードできる機能(NSSU)や、オンラインでの機器追加・交換が安心して行えるので気に入っています。今回のコアスイッチの切り替えもスムーズに行うことができ、ネットワークOSである「Junos OS」はそのまま継承されますので、運用ノウハウを生かすことができます。

フロアスイッチも新しいEXシリーズに交換したのですが、省エネ性に優れており、スタッフから騒音が減ったという評価を受けています。これは思わぬ効果でした。

日商エレクトロニクスのサービスについて

日商エレクトロニクスのサポートをご評価ください。

「Junos OSのコマンド体系は理に
かなっておりメンテナンス性に
優れています」
株式会社オー・エル・エム・デジタル
研究開発部門
深谷 祐太 氏

私はまだ配属されたばかりのエンジニアですが、Junos OSは、理にかなったコマンド群がそろっており、直感的に使いやすいのが気に入っています。当社で初めて管理することになりましたが、メンテナンス性を重視したコマンド体系となっているため、ジュニパー初心者でも扱いやすいように感じます。

とはいえ、日々のメンテナンスには一定以上の知識と経験が必要なため、日商エレクトロニクスからのご提案でトレーニングサービスを活用し、基礎から学ぶことにしました。

日商エレクトロニクスのトレーニングセンターには、実運用に近い設備が整えられており、実際の現場で行っているようにリアルなノウハウを吸収することができます。少人数のクラスで、わからないことを聞きやすい雰囲気を作ってくれているので、ジュニパー初心者でも気後れすることなく参加できました。

また、日商エレクトロニクスのサポートは非常に質が高く、機器の導入前検証で発生した質問に迅速に答えていただきました。そのため、以後の導入作業をスムーズに進行できたと感じています。

今後の予定について

今後の予定をお聞かせください。

今後の映像制作の業界では、4K・8KやHDRなど高画質化がトレンドになっていくと予想されます。オー・エル・エム・デジタルが扱う作品にもそのニーズが高まっていくでしょう。映像制作のITインフラに求められる機能・性能は、いっそう大きくなっていくことは間違いありません。

オー・エル・エムグループでも、これまで以上により多くの作品を手がけて、さまざまなコンテンツを生み出したいと考えています。当然のことながら、サーバーの性能も数も増強しなければなりませんし、ストレージも同様に増えていくはずです。こうした高密度なITを支えるためには、25G/40Gといった広帯域のネットワークが必要です。

今回ジュニパーネットワークスQFXシリーズの採用によって、コアネットワークの将来的な増強に備えることができたものと考えています。

将来的には、映像制作の拠点を増やす可能性もあり、そうしたときには、ネットワークの運用性・メンテナンス性が今まで以上に重要なものになるはずです。ジュニパーネットワークスには、これからも運用性に優れた製品を投入してほしいと考えています。

その際、自社運用している当社にとっては、最新のテクニカルアップデートや、運用ノウハウなどの各種ナレッジが重要となります。そのため日商エレクトロニクスには、継続して高品質かつ迅速なサポートと、より細やかな情報提供をお願いしたいと思います。

※ 記載の担当部署は、2018年2月現在の組織名です。