EX・SRXシリーズ事例 帯広市役所様

低コスト」「高信頼性」「運用負荷の軽減」、自治体として求めるネットワーク要件に応える提案をしてくれたのが、日商エレクトロニクスでした。

  • 企業名帯広市役所
  • 設立1979年2月15日
  • 所在地北海道帯広市
  • 取材対象帯広市役所 総務部 情報システム課 管理係 
    主任補  高橋 健太郎 氏

帯広市役所(北海道帯広市)では、ジュニパーネットワークス(以下、ジュニパー)のイーサネットスイッチ EX4200(以下、EX4200)で統一された基幹ネットワークを構築。バーチャルシャーシ構成を採用することで、管理負荷の軽減と高信頼性を両立することに成功した。ネットワーク構築の経緯と効果についてお話を伺った。

帯広市の紹介

帯広市についてご紹介ください。

帯広市は、北海道東部の十勝(とかち)地方[人口35万人、19市町村]のほぼ中央に位置する人口約17万人の町です。明治16年(1883年)に本格的に開拓が始まり、碁盤目状の道路網など計画的な市街地形成を行ってきました。

農業を主要産業とする十勝地方の中心地でもあり、農産物集積地および商業都市としての役割を担っています。「食と農林漁業」を柱とした地域産業政策の考え方を街づくりの旗印として「フードバレーとかち」と総称し、十勝全域でスクラムを組んで街づくりを進め、国内外へ地域の魅力を発信しています。

EX4200を合計17台導入し、市役所の基幹ネットワークを刷新

新たに構築した基幹ネットワークの概要を教えてください。

2011年12月、帯広市役所では12階建て本庁舎の全フロアと別施設の消防署をカバーする基幹ネットワークを刷新しました。バーチャルシャーシ構成を採用することで低層階と高層階を仮想的に2つの論理ネットワークとして分けて管理しています。

ネットワークの利用環境について教えてください。

端末の台数は約1,300台です。業務で利用するサーバーの一部は本庁舎内で管理していますが、ほとんどはデータセンターで運用しています。

ネットワークの機器構成はどのようになっていますか。

スイッチはすべてジュニパーのEX4200で統一しました。導入台数は、本庁舎内で15台、消防署で1台、さらに予備機1台を加えて合計で17台です。また、消防署と本庁舎を接続するためにジュニパーのサービスゲートウェイ SRX240を導入しています。

本庁舎内のスイッチ間接続は次のとおりです。

・サーバールームに2台のセンタースイッチを設置。センタースイッチ間は128GbのVCケーブル(専用のバーチャルシャーシ接続ケーブル)を利用したバーチャルシャーシ接続。

・各フロアに設置したスイッチ間は、10Gbのアップリンクを利用したバーチャルシャーシ構成で接続。

・低層階の同フロアに設置しているスイッチ間は128GbのVCケーブルでリンク。

・2つのバーチャルシャーシ間は、10Gbのアップリンク構成で、LAG接続によって冗長化。

ネットワーク更改により、さらに安定的な市民サービスが提供可能に

基幹ネットワークを刷新した理由を教えてください。

以前利用していたネットワーク環境を構築してから年数が経過していたため機器が老朽化しており、ハードウエアの故障などによりネットワークにトラブルが発生するリスクが高まっていました。

また、そのような状況を改善するためにメンテナンスをしようとしても、さまざまな変更を加えてきた中でネットワークの設定や仕様がブラックボックス化してしまっており、かえってネットワークの構成を複雑化してしまいかねない状況でした。

トラブルが発生して本庁舎内のネットワークが使えなくなってしまうと、市役所全体の業務に大きな支障をきたし、市民の皆さまにご迷惑をおかけしてしまうことになります。そのため、2011年度の予算にネットワークを更改するための費用を計上しました。

シンプルなネットワーク構成にすることが一番の要件

ネットワーク環境を刷新するにあたり、どのような要件がありましたか。

シンプルでフラットな構成のネットワークにしたいというのが一番の要件でした。また、できるだけ長い期間ネットワークインフラを利用できるよう、最新かつ標準的なテクノロジーを取り入れた機器を選定してもらうようにしました。

なぜ、シンプル化が一番の要件だったのでしょうか

シンプルな構成のネットワークインフラであれば、運用管理の負荷とコストを軽減し、耐障害性やパフォーマンスを高めることができるからです。

「運用管理の負荷とコストを軽減し、耐障害性とパフォーマンスに優れたネットワークが必要でした。」
帯広市役所 高橋 健太郎 氏

【シンプル化のメリット1】運用管理負荷とコストの軽減

ルーティングノードを減らせば、設定の変更が必要な場合に最小限の手間と人員で対応できるようになり、トラブルを未然に防ぐことができます。さらにネットワーク機器の機種を絞り込むことにより、管理する機器の種類が減るので、運用コストの大きな削減も見込めます。

【シンプル化のメリット2】耐障害性の向上

ネットワーク機器を統一することで、障害の切り分けや問題箇所の特定が容易になるだけでなく、予備機を確保しやすくなります。そのため、万が一、ハードウエアのトラブルが発生した場合でも、機器をそのまま予備機に入れ替えることで、ネットワークの停止時間を最小限に抑えることができます。

【シンプル化のメリット3】パフォーマンスの向上

ネットワーク構成をシンプルにすることで、ボトルネックとなる箇所も少なくなります。そのため、あらかじめ帯域を確保しなければならない部分へ集中的な対策がとりやすくなり、パフォーマンスの安定化や向上を図ることが容易になります。

トータルバランスに優れた日商エレクトロニクスからの提案を採用

日商エレクトロニクスからの提案を採用した理由を教えてください。

自治体としては、できるだけ低いコストの提案を採用するというのは当然なのですが、ネットワークの場合は「安かろう悪かろう」では困ります。そのため、トータルバランスという点も考慮して入札仕様を作成しました。

複数社による入札の結果、最もコストパフォーマンスが高く、シンプルかつ自由度の高いネットワークを提案してくれたのが日商エレクトロニクスでした。

具体的な評価ポイントなどはありますか。

EX4200によるシンプルかつ高信頼の仮想化環境を提案してくれたことが、大きな評価ポイントとなりました。

確かにネットワーク構成をシンプル化するメリットは大きいのですが、一律的に管理しなければならなくなるので、特定の箇所だけ最適化したいときなどはデメリットになってしまいます。また、冗長構成にしていても、一部のトラブルがネットワーク全体に影響してしまうリスクも排除することはできません。

しかし、バーチャルシャーシでネットワークを仮想化すれば論理ネットワーク間は干渉しないので、互いの影響を気にすることなく、それぞれのネットワークを最適化することができます。また、トラブルが発生した場合でもその影響を最小限に抑えることができます。

安心してネットワークを運用できるようになり、コスト削減効果も

新しいネットワークインフラの導入効果について教えてください。

当初の狙いどおり、ネットワークの構成や運用状況を容易に把握できるようになり、JunosR OSという統一的なソフトウエア環境下でメンテナンスや調整ができるので、運用負荷を大幅に軽減できました。その分、時間や人的リソースを他の業務に振り向けられるようになりました。

また、10GBASE-SRでEX4200間を接続することで広帯域なネットワークを実現することができ、しばらくの間はネットワークのパフォーマンスを気にすることなく、安定的に運用できる環境が整いました。

EX4200についての評価がありましたらお聞かせください。

EX4200は、バーチャルシャーシ技術のサポートなど高性能でありながら、ハイパフォーマンスも実現しており、検討した製品の中ではとてもコストパフォーマンスの高い製品だと感じました。

また、細かいところですが、EX4200同士をバーチャルシャーシ接続するときに専用のVCケーブルに限らず、アップリンクモジュールを利用して汎用的な光ケーブルで接続できる点も高く評価しています。

日商エレクトロニクスへの評価と期待

日商エレクトロニクスへの評価をお聞かせください。

提案内容の説明やトレーニングを受ける中で、日商エレクトロニクスはさまざまな業種や規模のネットワークを構築した経験があり、技術的にも優れたベンダーだということがよく分かりました。また実際のシステム構築にあたっても、迅速かつ丁寧に対応してもらいとても助かりました。

日商エレクトロニクスへの期待があればお聞かせください。

まだネットワークの運用は始まったばかりです。今後、予期せぬ事態に遭遇することもあるかと思います。一般的に、帯広という場所柄、メーカーからの直接のサポートはあまり期待できず、札幌などに拠点があっても詳しい技術者がいないこともあります。しかし、日商エレクトロニクスは札幌の拠点にネットワークやジュニパー製品に詳しい技術者が常駐しているので、安心してネットワークを運用できます。ぜひ、これまでと変わりのない対応をお願いしたいと思います。

※記載の担当部署は、2012年1月の組織名です。